〜ダンス作品〜「海のできかた」シーン5、6
5、底に ささやかに
6、夏無の涙
熱い涙をためて、その地に、何かを残したか。
夏無は、しずかに、涙の海の底から浮き上がる。
(photo by= Keina Kobayashi & Taishi Imagawa& Hiroko Tanabe)
シーン7、8へつづく。。。
〜ダンス作品〜「海のできかた」シーン3、4
3、月の蛹 変身 何を ここに 見えない 狂い
青い塊は、月の蛹。渇望。興味。それは、怪しい道。青白い光にすいこまれる。
夜が明けると、変身していた。差別しない色の交錯が自身もその植物も同じ存在であることを明かす。〈わたし〉は何を食べているのか。私は色とりどりの美しい葉を食べた。
4、それは 宇宙になって現れる
消えたはずの赤い心臓が、唸っている。聴こえる。宇宙から。あの小さな赤い粒が、知らない間に、肥大し、溶け出す。太陽。毒にまみれていた。植物は、熱い。
(photo by= Keina Kobayashi & Taishi Imagawa& Hiroko Tanabe)
シーン5へ続く。。。
〜ダンス作品〜「海のできかた」シーン1、2
〜ダンス作品「海のできかた」 シーンタイトル〜
1、消えた あかい
2、くもるもの やさしいこと
3、月の蛹 変身 何を ここに 見えない 狂い
4、それは 宇宙になって現れる
5、底に ささやかに
6、夏無の涙
7、鉄と太陽
8、漆黒
1、消えた あかい
赤い心臓みたいなもの。憧れの光。〈わたし〉の「欲しい」が、それがたとえどんなに小さいものでも、何かを狂わせていると知っている。
2、くもるもの やさしいこと
周りがいくら晴れていても、目の前が曇ったようだ。そこに赤い光は無い。何もかもが、包まれ、隠されている。それはやさしい。自由自在にえがくことができる。しかhし、手応えはない。私はそれを触りたいと思う。雲が空から剥がれ落ちて、指の間に新しい雲ができるように。
シーン3へつづく。。
(photo by= Keina Kobayashi & Taishi Imagawa& Hiroko Tanabe)
〜ダンス作品〜「海のできかた」テキスト
「太陽の出ない日は、何かに変身してみたくなるものである。
太陽の出ない日は、いつもと違う物を食べてみようと思うものである。
太陽の出ない日は、小さな物のあとを追ってみようと思うものである。
太陽の出ない日は、その行方を心配するものである。
太陽の出ない日は、涙の沸点を感じるものである。
太陽の出ない日は、自分の知らない海を見ようと思うものである。
天気のよい日には、気がつかない海である。」
ここからは、ダンス作品を、ことばを交えながら、載せて行きます。
〔後編〕〜ワークショップ〜「海にダーイブ!紙と身体を使って海を泳ごう!」
船が辿り着いたのは、おおきな山でした。
ここからは協力が肝心。
倒れないように、大きく、山を作っていきます。
海の水は、どこからくるの?
山、木々、草花、枯れた葉っぱ、彼らが、きれいな水を運んでいます。
それは川となります。
木々や草花のトンネルをくぐって、好きなところに山の窓を開け、川を流してあげよう。
ビリビリ〜と、ゆっくり流すと、長ーい川ができました。
川は、いつの間にか、山を下り、海の底へと辿り着いたようです。
黒緑色の影が不気味な気配。
あれは何?と聞くと、
「ダイオウイカ!!」…だそうです。
ごつごつとげのある巨大ダイオウイカが潜んでいるようです。
それじゃあ、そんな怪物に負けないセイブツに
変身だ!!
紙で全身を隠し、足のない、これまた不思議な「ダイオウイカ」の完成。
着て歩いても、脱いで投げても大迫力でした。
さて、潜んでいたダイオウイカも負けてはいませんでした。
どんどんと足を伸ばし、もっともっと巨大になります。
川のかけらを、繋ぎ合わせて行きます。
上手に組み合わせないとバランスが保てません。小さいのと長いのを順番に並べます。
こんなに長い足の完成!ゆらゆらとたゆたう足の下でおやすみ〜。
あたりは暗くなり、夜の海に入って行きます。
夜の海には生き物がいっぱい。真っ赤・真っ黄色・真っ青な「熱帯魚」、「サンゴ」、「サメ」、「エビ」、そしてお気に入りの「ダイオウイカ」。様々な生き物になって、海藻(=巨大ダイオウイカの足)の下を縫いながら、泳ぎました。
最後は、海藻の下で眠りましょう。紙の下に埋まって、朝を迎えます。
おはよう!!!
みんな無事に、海から帰還しました。
想像の海の冒険は、素晴らしいものになりました。
しかし、、
まだ遊びたい!!!!
ワークショップ終了後もいっぱい身体を使ってあそびました。
二人の元気で自由で楽しい想像力に感動しました。
ありがとうございました。。!!
2014.8.29
〔前編〕〜ワークショップ〜「海にダーイブ!紙と身体を使って海を泳ごう!」
8月23日(土)14〜15時の1時間、展覧会に合わせ、ワークショップを行いました。
紙と身体をつかって、この場所にイメージの海を出現させよう!という試みです。
元気いっぱい、5歳と1歳半の2人の男の子が参加してくれました。
今年はまだ海に行っていないよ〜と教えてくれます。
水もない、お魚の姿も見当たらない…さて、どうやって泳ぐ?
まずは、準備体操。金魚の口みたいに足の指をぱくぱくさせます。
準備は整いました。後ろを振り返ると、大きな波が見えて来たよ!
さあ、飛び込もう〜!!
みんなで波を持ち上げて、大きなドームを作ります。
ザワザワごぼごぼジャーンギョワーん 紙の中で聞く海の音は不思議!!
中では楽しく大騒ぎ!話し声も聴こえないほどの大音響に包まれます。
みんな波の中から出て来ました。
大きかった波は、やがてゆるやかになって、ちいさくちいさくなります。
あらら、みんな包まれて、ひとつの船になりました。
波にゆられて、静かに進みます。
さて、どこに辿り着くのでしょう。
後編へ続く。。。
〜絵本の展示〜「海のできかた」
3日間、波形の棚に、絵本を6点展示しました。
そのうち4点は、表紙とタイトルのあるもの、2点は表紙のない回転形の絵本です。
4点の表紙のある絵本の創作は、一粒の水滴から始まりました。
垂れた水滴に好きな絵の具を零して、しばらく待ちます。
乾いて残った跡を見て、物語を発想しました。
小さな偶然が、大きな想像の世界へと導いてくれたら、と思い、制作しました。
回転形の絵本は、入り口も出口も自由。
どこからはじめても、どこで終わってもいい作品です。
開いたり、引っ張ったりする小さな仕掛けが組み込まれています。
2014.8.29