2014-03-07から1日間の記事一覧
うつったものをみた。 生える雨。 踏み潰される沼。 のぼる蒼色。 掻き分ける足頚。 黒い線はつきささった。と思えば、溶けて消えた。 横たわる。 霞む日。ゆれる雲。何処かで見た様な。 ああそうか。 母親の腹の中、夢心地。立つているのは困難だ。 染みわ…
てのひらひらひら 鳴く方へ。 碧き平(たいら)。 それが父か、母か、わたしは知らない。 泡立てる白縹(しろきはなだ)。 それが兄か、妹か、わたしは知らない。 もう近い。と、唄うたう。 気づくと頭上。 ふくらんではしぼむという不思議。 崖っぷちの太陽…
春はひっそりさわがしい。 温い風が曖昧だから、草は泣き、葉は怒り、花は笑っている。 あたまはぽっかり浮いたまま。 ちきゅうにおぎゃあと言ったとき、チクタクパッポーはわたしのこころをへしおった。 めの奥は真っさおで、なんにもない。 聞いてくれ。足…
小さい頃から、あこがれるんだ、広いねって。 自由だねって。 でも抱える力がなかったんだ。 ぜんぶ、そう、ぜんぶが落っこちて、しん、としてしまった。 くもも、鳥も、なにもかも。 空は、くうになってしまった。 下ではみんな楽しそう。 でも、くうには手…