2014-03-07 TEXT 春 春はひっそりさわがしい。 温い風が曖昧だから、草は泣き、葉は怒り、花は笑っている。 あたまはぽっかり浮いたまま。 ちきゅうにおぎゃあと言ったとき、チクタクパッポーはわたしのこころをへしおった。 めの奥は真っさおで、なんにもない。 聞いてくれ。足の裏のきれいなハダイロがむずがゆいのだ。 聞いてみて。ひざこぞうのうすらこぞうが微かなむかしを知っているから。