冬に言う。
冬に、言う。
昨日、いわきから帰ってきた。
あたたかい。
ちょっと出掛けていた間に、東京には春がきていた。
わたしはこの冬、
ああ冬が苦手だな、と何度も思った。
じぶんの身体が寒さに対応できないことがよくわかった。気持ちは元気なのに、寒さなんてへっちゃらさ、と思っていたんだけれどね。
夏は、太陽がまぶしくて、気持ちのよい汗をかいて、いくらでも走ることができて、すばらしいと思う。だけど冬は、朝が暗くて、呼吸の循環が悪くて、身体の中に色んなものがたまってしまった。気持ちわるかった。言葉もうまく出てこないし、ダンスも生ぬるかった。特別に大きいことをしなかった。
だけど、この冬は大事だった。じっと心に聞く時間が持てた。ちいさい会話ができた。心もとなくゆれる太陽を やさしいと思った。目を細めて太陽を見なくても、微かな土粒にあたたかさを感じることができた。
わたしの脳みそと体は、たぶん宇宙とか地球とか大きなものに向かい合いたいと思っている。けれど、大きいものにはそんなに簡単には言葉が届かないむなしさがあった。いつかは届きたいと思った。私のコトバで発信しつづけようと思った。
そんな感じの冬だった。
冬とももうすぐお別れ。
(phpto:南相馬市鹿島地区にて)